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自作小説:「愛に飢えた男の夢」(書き下ろし)

 どうも!LSSです!

 今回はまた自作小説です。
が、今回のは過去作ではなく、新たに即興で書いたものとなります。

まえがき

 まだ出していない過去作もあるのですが、今回は久々に新たに書いてみました。

…といっても、書きたいテーマ等が無い状態で、勢いで書き始めたもので、小説としての意味があるかどうかは甚だ疑問ですがw
(小説修行みたいな感じ?と思っていただければと思います^^)

「愛に飢えた男の夢」

ああ、またこの夢か…。
嫌になる。
鬱蒼とした森の中で、
笑顔で手招きをする
女の子。

かなり以前から繰り返し同じ夢を見る。
木々の葉擦れの音がリアルに感じられるが、
繰り返し同じ夢を見続けているので
決して迷う事なく断言できる。
「これは、夢だ!」と。

先ほどから手招きをしているその女の子、
知らない子だ。
すっかり夢の中だけでの顔なじみになってはいるが…。
狭い木々の隙間をくぐり、いつものように彼女の元にたどり着く。
そして、二人で手を取り、さらに奥へ進むのだ。

高台の上にでた。真っ赤に燃える夕陽が俺と彼女を照らす。
ちなみに、現実ではこの森も高台も全く見覚えがない。
つまり、全ては俺の空想の産物という事か。
手を繋いだままのこの子は、俺の何なのか?
特に理想のタイプというわけでもないし。

「何を想っているの?」
にっこりと微笑みながら、彼女が問いかける。
ぬめりを帯びた不安が、不意に俺の心に
根付きはじめた。
脳髄の奥から、何かが大量に溢れ出るかのような感覚!

はたと気づいた。気づいてしまった。
人を蹴落とし、
踏みにじる事で手に入れた現実の俺の地位。
変な競争意識に囚われた結果、頂点に登りつめ、あとは落ちるしかない、
他ならぬ俺の今の立場が、この『高台』という心象風景を生み出していたのだ!と。

真っ赤に燃える夕日は、蹴落としてきた男たちの血の色。
見下ろすばかりの景色は、傲慢な俺の、現実の周囲への意識。
無謀な事ばかりしてきた俺を支えてくれた仲間たちはもういない。
目の前にいて、今も俺を見つめるこの少女は、
もしかすると…俺の良心…?

「やっと気づいたのね。」
ゆっくり、うなづく。
欲望に目が眩んでいる間は、ずっと分からなかった夢の意味をやっと理解した。

乱暴に高台から突き落とされた。
『良心』が俺を…?
瑠璃色のその瞳は、落ちてゆく俺を憐れんで見つめたまま。
歴史は繰り返す。
ろくでなしの俺に蹴落とされてきた男たちと同じように、今、俺が落ちている…。

わざと遅めの時刻に目覚ましを合わせておく事。
を、昨晩実行したおかげで、ようやく夢の意味にたどり着いたようだ。
「んーッ!」と大きく伸びをし、目覚めた俺。『良心』よ、見ているか?

あとがき

「書きたいテーマ等が無い状態」ではありましたが、書き始めたきっかけとなったのは、なお吉さんとこの記事でした^^(が、ブログごと削除されています。)

 LSSが書くと、だいたいこんな感じですw