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自作小説:「捨てられた少女」

 どうも!LSSです!

 

 今日は、結構久々に「20年近く前に書いた小説」を晒してみますw

 

 

まえがき

 

 以前、自作小説:「ステラ」全2話 一挙公開というのをここで晒しましたが、あれの第一話「捨てられた少女」がお題小説として募集された際にもう一本、全く違う話を投稿していました。

 

 さらに今回の話も、話の途中で話が枝分かれして3パターン書いています。

 当時「かまいたちの夜」とかのサウンドノベルゲーが出ていた頃で、パターンが分かれる話を自分でも書いてみたかったんですね(分かりやすい動機!w)

 

で、また「ちょっとアレ」な部分を含みます。

 

 

捨てられた少女

 

TAKE:1

 立倉マンションのオーナー、立倉一志が「それ」を発見したのは今月の第二木曜の朝だった。

 

 立倉マンションのゴミ集積所、山積みになったゴミの一番上に…7~8歳くらいの少女の遺体が遺棄されていたのだ。

 

 彼は、その少女が7階の住人、田中さんの娘である事を知っていた。

 彼はどうしたか?

 

 すぐさま遺体を抱き上げ、マンションの非常用螺旋階段を一気に7階まで駆け昇る。7階廊下を突き当たりまで駆け抜け、そこにある田中さんの部屋の戸を勢いよく開けた!


 中には…泣き喚きながら夫をなじり続ける奥さんと、血まみれの両手を見つめたまま茫然としている田中さんの姿があった。

「どん!」

 立倉は玄関先に少女の遺体を放り出し、言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「田中さん、今日は生ゴミの日じゃないですよ!!」

 

 

 

 

TAKE:2

 立倉マンションのオーナー、立倉一志が「それ」を発見したのは今月の第二木曜の朝だった。

 

 立倉マンションのゴミ集積所、山積みになったゴミの一番上に…7~8歳くらいの少女の遺体が遺棄されていたのだ。

 

 彼は、その少女が7階の住人、田中さんの娘である事を知っていた。

 彼はどうしたか?

 

 すばやく周囲に目を走らせ、誰も見ていないのを確認すると、少女の遺体を抱き上げ、マンションの一階にある自分の部屋へ駆け込んだ。

 全ての窓とブラインドを閉め…ベッドに放り出した少女の方を見た。

 

「瑠璃子ちゃん、少し顔色が悪いよ。」と言って口の端に笑みを浮かべる。
 そして少女の服に手をかけ…そこで一瞬動きを止める。といっても、これから自分のやろうとしている事にためらいを感じた訳ではなく、単に考えをまとめただけの事だったが。

 

 結局、少女のブラウスの下から二つめのボタンだけを残して全て外し、左肩をはだけさせる事にした。それによって少女の左胸があらわになる。

 乳首に軽く口づけした後、スカートをめくり、パンティをひざまでずらし…。


 捨てる神あれば拾う神あり。
…立倉の歪んだ悦楽は、まだ始まったばかりだ。

 

 

 

 

TAKE:3 ~解明篇~

 立倉マンションのオーナー、立倉一志が「それ」を発見したのは今月の第二木曜の朝だった。

 

 立倉マンションのゴミ集積所、山積みになったゴミの一番上に…7~8歳くらいの少女の遺体が遺棄されていたのだ。

 

 彼は、その少女が7階の住人、田中さんの娘である事を知っていた。

 彼はどうしたか?

 

 すぐさま遺体を抱き上げ、マンションの非常用螺旋階段を一気に7階まで駆け昇る。7階廊下を突き当たりまで駆け抜け、そこにある田中さんの部屋の戸を勢いよく開けた!


 中には…泣き喚きながら夫をなじり続ける奥さんと、血まみれの両手を見つめたまま茫然としている田中さんの姿があった。


「どうして、どうしてなんですか、田中さん!!」

 立倉は田中さんにつめよった。

「どうして!どうしてこんな可愛い女のコを…どうして…」


 バシッ!
 奥さんの平手打ちが立倉の右頬にヒットした。

 

「あんたッ!私というものが有りながら他の女を…」

 立倉は錯乱している奥さんをげんなりとした表情でみつめた。
…7~8歳の少女の遺体を抱きかかえていたからといって、どうして「浮気者」と泣き喚きながらなじられなければならないのか?

 

「おまえの話は後で聞くから、ちょっとここを出ていなさい。…大体どうしておまえがここにいるんだ。」

と言いながら立倉は、まだ何か言おうとする自分の奥さんをドアの外に押し出し、中から鍵をかけた。

 

「田中さん…全部話していただけますか?」
「あたし…」

 田中さんはようやく血まみれの両手から目を離し、口を開いた。

 

「あたし…どうしていいか分からなかったの…。パパも、ママも、帰ってこなくなって…もう一ヶ月になるし…あたし一人で瑠璃子の面倒みるなんてとても出来ないし…。」
「君はもう17だ。学校をやめて働くとか、他にも方法はあったんじゃないのか?大変なのは分かるけど…だからって、可愛い妹を殺して捨てていいと思ってるのか!?」
「…じゃ、その妹の体に悪戯するのはいいの?」
「…!?」

 

 田中さんは女子高生とは思えない恐ろしい目つきで立倉を睨んだ!

 

「知ってるのよ!立倉さん、あなた、二週間くらい前から瑠璃子の体に悪戯してたでしょう!!あのコはまだそれがどういう事か分かって無かったから、全部あたしに話してくれたわ。楽しそうにね!その時のあたしの気持ちがあなたに分かるっていうの!?」


 立倉は…自分が全てを失った事を悟った…。
 妻との生活も、地位も名誉も、それから愛する瑠璃子も…。

 

 

 マンションの外では…穏やかな日差しと、気持ちのいい風が、公園に群れる幸せな人達を包んでいた。

 

 

 

 

あとがき

 

TAKE:1は「捨てられた少女」というお題から誰でも思いつきそうな話でしたねw

 

 当時の自分もそう考え、パターン分けしたフシもありますwww

TAKE:2…については何も言うまい…^^;

TAKE:3、まえがきに書いた「かまいたちの夜」から我孫子武丸氏の作品にハマり、長編での叙述トリックが凄い「殺戮に至る病」で叙述トリックというものを知って、やってみたかった感じですね(比べるようなものじゃありませんがw)

 

「殺戮に至る病」は最初から犯人の名前が出ていて、犯人目線で書かれた部分も多々あるにも関わらず、かつ長編で読者を騙し通す傑作です。
 叙述トリックとして凄い作品ですが、描写も「ちょっとアレ」どころじゃないので、そういったものに抵抗がなく、あっと驚きたい方にはオススメです^^

 

 叙述トリック好きには同作者の「弥勒の掌」も面白かったです!

 

 自分が一番好きなのは「ディプロトドンティア・マクロプス」ですがw(展開がブッ飛んでますw)

 

 

 

 自作小説記事なんだか、書評なんだか分からなくなってきたところで、今回はこのへんで!

 次回もまた、よろしくお願いします^^